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  • この人に訊く!2013年7月号

    「真冬でも行列のできるかき氷屋」はこうして生まれました(かき氷屋「埜庵」・店主 石附浩太郎氏)

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音響機器メーカーで活躍していた営業マンが、ある日“かき氷”に目覚めて脱サラし、無謀とも思える通年営業の「かき氷専門店」をオープン。
様々な曲折のすえ、多い日は1日500人以上が来店、しかも全国各地から熱烈なリピーターがやってくる人気店に育て上げた。
真冬でも行列のできる人気店の秘密とは。

ck_1307_1一般的に「かき氷」といえば夏の風物詩であり、毒々しいほど鮮やかな色のシロップをかけたものが目に浮かぶ。炎天下の海水浴場や夏祭りの場で、束の間の涼を求めるイメージだ。ところが、小田急線・鵠沼(くげぬま)海岸駅近くに店舗を構える埜庵(のあん)のかき氷は、それとは対極にあるかのような、いわば上質なスイーツである。全国からリピーターが訪れるというその味は、甘党やかき氷好きでなくても、思わず“おいしい”と口走らせ、虜(とりこ)にしてしまう水準にある。
【いしづき こうたろう】
1965年東京都生まれ。大学卒業後、メーカー勤務を経て、2003年鎌倉市に「埜庵」をオープン。05年藤沢市・鵠沼海岸に移転。著書に『なぜ、真冬のかき氷屋に行列ができるのか?』(川上徹也氏との共著)、『お家でいただく、ごちそうかき氷』、『かき氷屋埜庵の12カ月』がある。http://kohori-noan.com/

               ◆◆◆

---埜庵のかき氷には「ノアラー」という熱烈なファンがいるほどの人気ですが、他店のかき氷とはどこが違うのでしょう。

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普通の飲食店、たとえばラーメン屋さんだったら、近くの店のラーメンには負けたくないとかその町で1番店になりたいなどと考えるのでしょうが、私はあまりそういう気持ちはありません。
音響機器メーカーの営業マンだった私がこの世界に入ったきっかけは、15年前のゴールデンウィークに秩父をドライブ中、偶然入った天然氷の蔵元で食べたかき氷に衝撃を受けたからでした。いまでも、その味には絶対に追いつけないと思います。ただ、開業当時は世の中にかき氷の専門店という業態は見当たらず、比べようがありませんでした。ですから他店との比較ではなく、来店してくださったお客様をどう喜ばせるかということばかり考えていましたね。



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