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闘うトップ2013年10月号
「幻のスポーツカー」をEVで復活させ京都の底力を世界に発信したい(グリーンロードモータース株式会社・社長 小間裕康氏)
京都だから実現した幻のスポーツカーの復活
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トミーカイラZZの開発にあたって小間社長が実現したのは、「水平分業型」のビジネスモデルだった。モーターや二次電池など、必要な部品はそれぞれの専業メーカーに任せることで開発費を抑えた。そして、グリーンロードモータースは車体技術の開発に重点を置き、車体のみで安全性を確保する技術を確立して、特許も取得。車体技術をコアに、異分野の専業メーカーを引き合わせ、その技術をコーディネートすることで、「幻のスポーツカー」は復活した。
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不遜(ふそん)な表現かもしれませんが、トミーカイラZZは京都で生まれるべくして生まれたスポーツカーなんです。
実は、京都にはスポーツカーを生み出すにふさわしい3つの顔がある。1つは「テクノロジーの京都」。京都はEVに不可欠な部品のサプライチェーンが充実していて、京都の企業だけでEVをつくることができます。
2つめは、意外に思われるかもしれませんが、「スポーツカー文化の京都」。トミタ夢工場のほかにも、童夢(どうむ)やコジマエンジニアリングといった有力な会社は京都で生まれているんですね。必然的にエンジニアも京都に集まります。そうした集積は、京都でEVスポーツカーをつくるうえで、大きな付加価値となっています。
そして、3つめは「環境モデル都市の京都」です。ご承知の通り、京都は環境問題に対する意識の高い都市として、世界的にも有名です。この街でEVをつくること自体にメッセージ性があって、事業としても非常に意義深いと思っています。
それだけに私どもの責任も重大で、トミーカイラZZをきちんと社会に送り出すことが、協力してくださった方々への恩返しになる。私自身、経営者としてはまだまだ未熟ですが、今後、しっかりと地に足の着いた着実なビジネスに育てたいと思います。