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  • 闘うトップ2013年11月号

    独自の排水浄化装置を普及させ世界中にきれいな水を届けたい(株式会社アイエンス・社長 吉田憲史氏)

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「浄」の文字に技術的確信を得る
そうした状況は自分の知識不足が原因ですから、専門家をお訪ねしてアドバイスをいただいたり、専門書の難解さに悩まされたり、とにかく連日、勉強です。藁(わら)にもすがる思いで、いろんな先生のお話をうかがいに行きました。
そういうなかで、ある日、微生物の研究で権威ある先生を京都にお訪ねしたことがありました。ところが、私の頭が悪いせいで、せっかくのお話も、いまいちよくわからない。その帰り、うどん屋に入ったのですが、どういうわけか、なかなか注文の品が出てこないんですね。待つ間、ぼんやり店内を眺めていると、壁に飾られた額が妙に気になりました。京都ですから、おそらく偉いお坊さんの書でしょう、「浄」と書いてある。しばらく見ているうち、はたと気づきました。「ははあ、やっぱり間違ってなかったんや」と。
浄は「水」が「争う」と書きますね。水と水が争うように激しくぶつかり合えば、きれいになる。酸素と水が混合されて、微生物がきちんと代謝する環境が整うからです。同時に、これはまだ学術的に仮説の段階だと思いますが、水と水がぶつかるときの電気的な反応によって、汚れの原因となる物質が砕かれるといわれています。ですから、微生物にとって分解しやすいサイズになる。すりおろしたリンゴが食べやすいのと同じですね。漢字をつくった昔の人は偉いもんやなあと、心から感心しました。

結局、成果が不安定だったのは、浄化槽の大きさや汚水の状態に対して、どれくらいの酸素を供給すればよいか、きちんと計算できていなかったんですね。以来、計算式の係数を変えるなどの修正を加えて、問題は解決しました。おかげさまで、現在までのところ、排水処理に失敗してお客様にご迷惑をおかけするような事例は1件もありません。



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(株)名南経営コンサルティング
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