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    音が聞こえるメロディーロードで交通安全の啓発に役立ちたい(株式会社篠田興業・社長 篠田静男氏)

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実は、メロディーロードのアイデア自体、まだ私が20代のころですから、30数年前から温めてはいたんです。

「道東(どうとう)」と呼ばれる道内の東側の地域は、北海道のなかでも自然環境の厳しいところで、道路にとっても環境は過酷です。とくに、農業機械や工事用重機が頻繁(ひんぱん)に通るような場所では、路面が大きなダメージを受ける。アスファルトで舗装された道路でも、路面にはけっこう凹凸(おうとつ)ができるものなんです。

あるとき、そういう道路を走っていると、いろんな音が聞こえていたことに気づきました。「ブーン」と高く鳴ることもあれば、うなるように「ゴーッ」と響くこともある。「面白いな」と感じて、そのうち「何かに役立たないかな」と考えるようになりました。でも、しょせんは思いつきです。雑音が音楽になれば楽しいだろうと思う程度で、本気で何かを検討したわけではありません。まして、ビジネスの種になるとは想像もしませんでした。

ところが、04年の初夏だったと思いますが、たまたまクルマに同乗していた長女が、走行音の変化に興味を示したんですね。スリップ防止用に溝が刻まれた道路を走っているとき、速度を変えると音も変わったんです。長女は、音楽の教師をしています。彼女が興味を示してくれたことで、背中を押されたような気がしました。商売になるかどうかはわからないけれど、とにかくやってみようと思いました。

早速、標津町の窓口に相談して、交通量の少ない農道を借りて、実験を始めました。道東で交通量が少ないというのは掛け値なしで、本当に誰も通りませんからね。標津町の人口は、もう6,000人を切ってしまいました。乳牛は2万頭以上います(笑)。

▲「知床旅情」が聞こえるメロディーロードの溝。溝と溝との間隔が狭いと高音になり、広いと低音になる。また、溝の深さを変えることで音量を調節することができる



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(株)名南経営コンサルティング
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