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闘うトップ2014年6月号
ネットショップ支援サービスで宮崎に1,000人の雇用を生み出したい(株式会社アラタナ・社長 濵渦伸次氏)
訪問営業は行なわず顧客とは「会わない」
2つめは、一緒に働いてくれる仲間たちのことですね。カフェバーの経営は大失敗に終わりましたが、実を言うと、私自身は楽しかったんです。経営者としての自覚もなく、好き勝手やっていたわけですから当然なんですが(笑)、そのときスタッフも楽しんでくれていると勘違いしていたんですね。毎日、楽しく仕事ができてさえいれば、多少、お給料が少なくても、支給が少しくらい遅れても、やりがいを感じてくれるものだと思い込んでいたんです。
ところが、当然ですが、スタッフにも生活があります。生活の安定が大前提であって、それを保証するのが経営者の役割だと、店じまいをしてようやく気づきました。私どものようなベンチャー企業には、今後、どんな逆境が待ち受けているかわかりませんが、従業員の生活だけは何よりも大切に考えなければいけないと戒(いまし)めています。
そして、もう1つが事業そのものに対する思い入れです。正直なところ、私はカフェバーがやりたくて起業したわけではありませんでした。高慢な言い方ですが、自分のような未経験者でも何とかなるだろうと高をくくっていたんですね。それが大変な思い違いであることは、言うまでもありません。
しかし、ネットショップの支援サービスは、社会にとって必要な事業だと、いまは心底から信じています。たとえ儲からない事業だったとしても、全国の零細な小売店や地方都市の商店の役に立つ意義深い事業です。ですから、もう失敗はできないんです。