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闘うトップ2014年6月号
ネットショップ支援サービスで宮崎に1,000人の雇用を生み出したい(株式会社アラタナ・社長 濵渦伸次氏)
同社では基本的に訪問営業を行なっておらず、顧客とのやり取りも電話やメール、スカイプ(オンラインビデオ通話)を利用する。新規顧客の約半数は代理店経由で、それ以外は顧客からの問い合わせと紹介が占める。
顧客の8割は首都圏に所在するが、同社が「会わない営業」に努めるのは、地元・宮崎での雇用拡大を志す濵渦社長の信念でもある。同社では、宮崎で1,000人の雇用を創出するという目標を掲げている。現在、従業員は103名。目標達成までの道のりは遠いが、大都市への人材の流出は全国の自治体が抱える喫緊(きっきん)の課題で、そうした視点からも同社は各方面から注目を集めている。
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宮崎から人材が流出することに初めて問題意識をもったのは、都城高専を卒業するときだったかもしれません。当時、クラスには40名の同級生がいたのですが、卒業後も地元に残ったのは、たったの2人だけでした。私を含めて、9割以上が県外、ほとんどが首都圏に出ていかざるを得なかったんですね。
もちろん、どこで就職しようと個人の自由です。それぞれに事情を抱えているわけで、県外で就職すること自体、悪いことではありません。ただ、地元で生まれ育ち、学校を卒業した後も地元で働きたいのに、その受け皿がないために地元を離れなければいけないとしたら、それは決して望ましい状態ではないと思うんです。
お祭りなどのイベントで全国から観光客を集めることも地域の活性化には必要なのかもしれませんが、人材の流出を食いとめるための根本的な解決にはなりません。やはり、安心して働くことができる「場」が必要なんですね。そのためにも、仲間と努力して大きくなって、宮崎の人が、宮崎で生きていくために少しでも役立てるような会社になりたいと思います。