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  • 闘うトップ2014年7月号

    母から受け継いだ妥協なき「本当の保育」を志す(株式会社コビーアンドアソシエイツ・社長 小林照男氏)

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ただ、その後は大手が一気に勢力を拡張したのに対し、当社は着実に広げてきました。それは私自身が現場タイプで、園長を募集するなどして、寄せ集めの人材では開園したくないという思いがあったからです。子供たちによい保育を提供するには保育士の質が最も大切で、人材を育てるためにはある程度の時間が必要です。園の数を増やすチャンスはいくらでもありましたが、むしろゆっくりと会社を成長させてきました。

保育理念では、ともかく本物志向を貫いてきました。幼児期はおいしいとかきれいとかいう感覚を育てる時期ですから、いま本物体験をさせておかないと正しい感覚が育ちません。陶器やガラスの食器は確かに割れますが、子供たちに「だから大切に扱ってね」と教えておけば大切に扱うことを学びます。逆にプラスチックで割れないと思うから乱暴に扱ってしまうのです。実際、子供たちが落として割ってしまうのは年に1回あるかないかです。園舎も子供に汚されても構わないものではなくて、子供だからこそ上質な空間を与えたいと思っています。

本物であることには細部にわたってこだわっています。たとえば子供たちに配る紙1枚にしても、できるだけ白色度の高いものを選びますし、発表会で使う衣装はすべて保育士の手づくりです。保護者の方に用意してもらったり、紙の衣装で間に合わせるようなことは絶対にしません。

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各分野のプロを専属スタッフとしているのも同じ。保育士は教育のジェネラリストですから歌は歌えるしダンスもできますが、そのレベルでなく子供たちに本物のプロのすごさを教えて感動を与えたいのです。保育所のなかに当たり前のようにスペシャリストがいて、プロのすごいリフティングやダンスを子供たちに身近で見せられる。そんな環境を提供したいと思っています。

年に1度のスポーツフェスティバルも保護者から「運動会のイメージが変わった」とよく言われます。ともかく保育士には全力を尽くさせる。名物の1つは男性保育士による体操演技ですが、ものすごく練習をして最高のパフォーマンスを表現するようにさせています。保育士は子供たちにとってあこがれの存在でなければなりません。あんな大人に早くなりたいという思いを芽生えさせることで成長が図れるのです。だから保育士には、トラックに道具を並べたり白線を引くときでも、プロとしてのキビキビとした仕事を見せるようにと言っています。私も各施設の予行演習は必ず見に行って、細かなところまで保育士に指示を出します。

やる以上は毎年進化させたいので、演目は変えますし、使う音楽も毎年見直します。ダンスでも流行歌の振り付けを安易に使うようなことはありません。発達段階の子供たちの成長を、本人も保護者も実感できるような要素を含んだ動きを保育士がオリジナルで考え出しています。そうしたところにこだわることが本当の保育だと思うのです。

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