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    『獺祭』を世界に広めて日本の農業にも貢献したい(旭酒造株式会社・社長 桜井 博志氏)

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地ビールとレストランの失敗で経営は危機に瀕(ひん)したが、結果として、それは旭酒造にさらなる飛躍をうながした。
杜氏が去った後、『獺祭』の通年製造による製造能力の拡大に挑戦し、厳格な温度管理などのノウハウを獲得することで、それを実現。『獺祭』人気による需要の高まりに応じて、製造設備も拡充されてきた。
また、東京圏での実績に自信を深めた桜井社長は、2000年ごろから海外にも本格的に進出。05年からは、将来の4代目の承継を予定する桜井一宏常務がニューヨークに常駐し、米国市場の開拓に取り組んでいる。昨年には、審査が厳しいことで知られるユダヤ教徒の清浄食品基準「コーシャー」を獲得。地酒としては初めてのケースという。現在、『獺祭』は米仏など17か国で販売され、その売上は年商の1割を占める。
地域住民がわずか500名ほどの過疎地域に生まれた『獺祭』は、各界から注目されるブランドに成長した。欧州某国では、元首クラスのVIPがファンを公言。異例ともいえる人気は意外な世界にも広がり、アニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』では、主要人物が愛飲する酒として描かれているという。



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