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闘うトップ2013年6月号
伝統的な製法で品質にこだわり納豆を大阪の食文化にしたい(小金屋食品株式会社・社長 吉田恵美子氏)
▲納豆釜は、吉田社長の母が担当する。病床の亡夫から口伝されたノウハウをいまも受け継ぐ 社長就任後、吉田社長は新商品の開発と並行して、販路の拡大にも積極的に努めた。
まず、近隣住民からの支持獲得を狙って、毎月1回、工場の敷地内で直売会を開催。容器が傷ついたりした「ワケあり」商品の値引き販売などを目玉に、自作のチラシを自転車でポスティングして回り、初回には100人を集めた。以来、直売会は最大で250人ほどを集客するイベントとして定着。やがて、常設の直売所へ発展し、09年7月10日、「納豆の日」を期して工場の一部に「納豆庵 こがね屋」をオープンさせた。
直売所の盛況や『なにわら納豆』が話題となり、このころからマスコミの取材依頼や各種イベント、百貨店の催事への出店依頼が舞い込むようになった。
そうした反響もあり、同年秋には農林水産省の支援によって始まった都市住民参加型市場「マルシェ・ジャポン」から要請され、大阪・淀屋橋で毎週、開催される青空市場「大阪マルシェ」への出店も実現。初回は300食を完売する人気で、同社の納豆は大阪での評価を高めていった。11年からは、大阪府公認の通販サイト「大阪ミュージアムショップ」へも出品している。