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  • 闘うトップ2013年6月号

    伝統的な製法で品質にこだわり納豆を大阪の食文化にしたい(小金屋食品株式会社・社長 吉田恵美子氏)

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近ごろは、ネット通販が直売売上の15%程度にまで増えてきましたが、いまも売上の大半は百貨店さんやスーパーさんです。でも、直売会などを通じて、実際に納豆を召し上がるお客様との接点を増やしてきたことは、私どもにとって大きな意味があったと思います。私どもの味を気軽に知っていただく機会になっただけでなく、お客様の声に多くのヒントをいただいたからです。たとえば、納豆に付属するタレは、かつおだしを強めたオリジナルの味に仕上がっていますが、これはお客様の好みに合わせてアレンジした関西風のタレなんです。また、小食タイプの商品を開発したのも、お客様の声をヒントに、独り暮らしのお年寄りでも残さず召し上がっていただけるよう改善したからなんです。いわゆるBtoCにも注力することで、主婦の目線を活かすことができたのではないかと思います。
いまでも大阪の納豆メーカーといえばめずらしい存在で、やはり本場は東日本です。私どもは規模も零細で、スタッフも女性ばかりですから、全国に展開する大手メーカーと同じ土俵で闘っても、勝ち目はありません。
でも、本場ではないからこそ、できる味もあると思うんです。同様に、少数精鋭だからこそ、女性だからこそ、できる納豆づくりがあるはずなんですね。一見すれば弱みのようでも、工夫しだいでは、それが私どもの強みに変わる。そう信じて、いつか大阪の中心街に納豆の専門店を出店してみたいというのが、いまの私の夢です。
納豆が東日本だけの食文化ではなく、この食道楽の街に根づいた味でもあるということを多くの人に知っていただきたいと願っています。



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