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経営理念2013年10月
夢に向かって突き進む この“起業家魂”に学べ!(株式会社マイファーム・社長 西辻一真氏)
教育事業を通じて40人の就農を実現
野菜をつくる体験農園が増えてきたため、マイファームでは昨年から「キッチンファーム」を関東に展開し始めた。このサービスでは、栽培や収穫に加えて、農園で調理して食べる楽しみを味わうことができる。さらに、ことしからは「ふくふくファーム」も展開。これは、野菜の栽培に自信をもつ人たちの「収穫した作物を売ってみたい」というニーズに応えたものだ。マイファームが販路も確保している。
2つめは、教育事業。体験農園などで農業に関心を抱き、より深く学びたいという人を対象に「マイファームアカデミー」を開講している。週末に座学と農場実習があり、有機栽培を科学的・理論的に学んだ後、就農を望めば、マイファームが農業機具・機械や備品を貸し出し、作物を買い取って支援する。農業専業の生活に不安を感じる人には、農協などへの就職の斡旋も行なう。
現在、大阪、京都、愛知、東京、横浜など8か所で開講しており、すでに220人が卒業。いまも、120人が学んでいる。受講生の年齢は20~50代まで幅広く、プロ志向の人から趣味をかねて学ぶ人まで、様々だ。これまで、40人ほどが就農を実現。25歳で年収800万円を確保している人もいるという。受講者の大半は農家出身ではなく、3分の1は体験農園の利用者だ。新しい農家を育成したいという西辻社長のねらいが、現実のものになっている。
そして、最近始まった3つめの事業が野菜の流通と販売を行なう「アグリステーション」である。関西を中心に、産地直売所「めぐみの郷」を20店近く展開するG-7アグリジャパンと業務提携し、卒業生の農園やマイファーム直営農場で収穫された野菜を販売する。これにより、農業への関心を高め、教育を提供し、新規就農を支援し、できた作物を販売するという事業の円環ができあがった。
「現在、全国の農家数は約250万戸ですが、私は専業農家、兼業農家に続く“第三種農家”をつくりたいと思っています。第三種とは、趣味で農業をやる人たち。この数が1,200万人くらいまでになったら、国内農業への理解者が増え、価格だけではない作物の価値も見直されるはずです」
体験農園の利用者は、大学生など若者が増えているという。農家の平均年齢が66歳近くになるなか、趣味とはいえ若者が農業に関心を寄せることは、一筋の光である。西辻社長は、若い世代の力が農業を変えると信じている。