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経営理念2013年2月号
成功への経験値は、躓いてこそ得られる 失敗に学び、生かす経営(株式会社エイチ・アイ・エス 会長 澤田秀雄氏)
望んで失敗をする経営者はいないが、経営に失敗がつきものなのも事実である。
リスクをとってチャレンジしていれば、自ずと失敗の確率も高くなる。
一方で、失敗とは教訓の宝庫でもある。
失敗してしまったのなら、そこから教訓を得て自身の成長や経営に生かせばいい。
どのように生かすべきか、躓きを糧にしたトップの苦闘からそのヒントを感じ取っていただきたい。
【提言】失敗の中に、答えは必ず潜んでいる
株式会社エイチ・アイ・エス 会長 澤田秀雄氏
いまの時代、新しいことに挑戦しない企業が生き残ることはできません。
たとえば、かつて写真用品の分野で圧倒的なマーケットシェアをもっていた米イーストマン・コダックは、昨年2月に破産法の適用を申請しました。収益性の高かったフィルム事業にこだわり、急速に普及したデジタルカメラへの対応が遅れたことがその原因でした。「フィルムの巨人」といわれたコダックですら、このような末路をたどったわけです。
激しく変化するグローバルマーケットを見誤り、栄華を誇った日本を代表する家電メーカーが、軒並み大幅な赤字を計上してしまったのも記憶に新しいところです。
時代の変化に対応するため、新たな挑戦やアクションが求められるのは、大企業でも中小企業でも同じです。挑戦にはリスクや失敗がつきもの。恐れることはありません。失敗したのならやり直せばよいし、そこから学べばよいのです。挑戦することで生じるリスクよりも、挑戦せずに手を拱(こまぬ)いていることのリスクのほうがはるかに大きい。それはコダックの例が示しています。