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ビジョナリー・リーダー2013年8月号
千年後も光り輝く会社であり続けるために礎を築く(イワキ株式会社・社長 岩城修氏)
1914(大正3)年に薬種問屋・岩城市太郎商店として創業したイワキは、まもなく100周年を迎える。
医薬品を軸にさまざまな事業を展開、2005(平成17)年には東証一部への上場を果たした。
なぜ100年という長い期間にわたって継続し、繁栄することができたのか、そのバックボーンとなったものはなにか。
創業者の孫で、三代目社長を務める岩城修氏に話を聞いた。
--御社は1914(大正3)年の創業で来年、創立100周年を迎えます。長期にわたり事業を継続し、伸ばしてこられた秘訣はどこにあったのでしょう。
創業100年の社歴というのは長いとは思いますが、実は対外的にはあまりこのことをお話ししていないんです。というのも、この本社のある日本橋界隈には数多くの老舗があり、なかには創業300年、400年という会社やお店も存在します。ですから、創業100年といっても、このあたりではまだまだひよっ子なんですね(笑)。
とはいえ、100年会社を続けてこられたことは誇りに思っています。簡単にできることではないですから。
ダーウィンの『進化論』に「生き残った動物は、強いから生き残ったわけでも、大きいから生き残ったわけでもない。環境の変化に対応したから生き残ったのだ」というくだりがあります。まさに企業経営にも当てはまると思います。会議の場などでよく社員にも話すのですが、もはや売上高や社員の数を誇るような時代ではありません。変化しながら、長期にわたって事業を継続することのほうがより重要ではないでしょうか。
実際、私は先代である父・謙太郎や経営者の諸先輩方から「企業とは変化対応業だ」と教えられてきました。常に変化する経済・社会の流れのなかで、うまく対応できた企業だけが生き残れるというのは真理だと思いますし、当社はある程度、それができていたのでしょう。